氏名未詳書状
□□にてそ候らん、
猶々申候、
心ちなき
ありさまにて候、
いままてなかいきし
て候事のみ
あけくれ、くちをしう
なけき申いて候、
たいたいのほうこうと
申候、こあか
はし殿(北条顕時)にも、
ことにふひんなる
事にこそ
おほしめして候しかは、
よのすゑに
かかるまとひ物に
なりはて候
しとこそ
思候はねと、返々
人めないくちをしく候、
なをゝゝはんしたのみ入まいらせ候て
申けに候、よきやうに
御はからひ候へく候、あなかしく、
御ことには思ひまいらせ候ままに、この
そせう(訴訟)の事も、かひかひ(甲斐々々)しうとり申
へき人も候はぬほとに、思かね候て、かやうに
申候、六はら殿(金沢貞顕)の御方へ申入候へは、
かねさは殿(金沢殿)の御ふしんの身にて候
時に、あの御かたの御ゆるし候はすハ、
御中のほうこうなとも、かなうましき
よしを、とみかやさへもん入道(富谷左衛門入道)たひゝゝ(度々)申候、
そのあはひはみなゝゝしらせをはしま
して候御事にて候へとも、ふるきミしん
さたし候はぬゆゑにこそ、ちりやうめされ
て候しかとも、へちにふかく御ふしんに
候はねはこそ、さへもん太郎(左衛門太郎)さいこまても
ほうこう申て候し事にて候へ、みしん(未進)を
さたしまいらせす候事も、ひとへにたゝ
ひころのつかれにたくさいしはて候て、かなひ
候はぬゆゑにこそ、ちからおよひ候はす、さりかたきおほせにて候しかとも、さた
しまいらせ候はて、めされ候て候しかは、
いまもほんりやう(本領)のむさし(武蔵)に、わつかなる
ところの候へとも、みついり(水入)所にて、さなから
『(切封墨引)
ちやうらう(釼阿)の御かたへ
〈まいらせ候〉 よしの□□』
猶々申候、
心ちなき
ありさまにて候、
いままてなかいきし
て候事のみ
あけくれ、くちをしう
なけき申いて候、
たいたいのほうこうと
申候、こあか
はし殿(北条顕時)にも、
ことにふひんなる
事にこそ
おほしめして候しかは、
よのすゑに
かかるまとひ物に
なりはて候
しとこそ
思候はねと、返々
人めないくちをしく候、
なをゝゝはんしたのみ入まいらせ候て
申けに候、よきやうに
御はからひ候へく候、あなかしく、
御ことには思ひまいらせ候ままに、この
そせう(訴訟)の事も、かひかひ(甲斐々々)しうとり申
へき人も候はぬほとに、思かね候て、かやうに
申候、六はら殿(金沢貞顕)の御方へ申入候へは、
かねさは殿(金沢殿)の御ふしんの身にて候
時に、あの御かたの御ゆるし候はすハ、
御中のほうこうなとも、かなうましき
よしを、とみかやさへもん入道(富谷左衛門入道)たひゝゝ(度々)申候、
そのあはひはみなゝゝしらせをはしま
して候御事にて候へとも、ふるきミしん
さたし候はぬゆゑにこそ、ちりやうめされ
て候しかとも、へちにふかく御ふしんに
候はねはこそ、さへもん太郎(左衛門太郎)さいこまても
ほうこう申て候し事にて候へ、みしん(未進)を
さたしまいらせす候事も、ひとへにたゝ
ひころのつかれにたくさいしはて候て、かなひ
候はぬゆゑにこそ、ちからおよひ候はす、さりかたきおほせにて候しかとも、さた
しまいらせ候はて、めされ候て候しかは、
いまもほんりやう(本領)のむさし(武蔵)に、わつかなる
ところの候へとも、みついり(水入)所にて、さなから
『(切封墨引)
ちやうらう(釼阿)の御かたへ
〈まいらせ候〉 よしの□□』
氏名未詳書状(詳細)
- 金文番号
- 2618
- 和暦年月日
- (鎌倉時代後期)
- 成立
- 鎌倉時代後期
- 形状
- 竪紙(礼紙)
- 料紙
- 楮紙
- 法量 縦x横
- 31.1 * 47.4
- 紙数
- 1紙
- 差出
- よしの
- 紙背
- 『悲想伝授抄』第十七紙
- 整理番号
- 1134
- 最終更新日
- 2011-11-26