氏名未詳書状

ちやうらうの御方へも候はゝ、  申させをはしまし候て、
  給はりたく候、
  いたいけして候はすとも、
  たゝゑのうつくしく
  候はんにても、
  一ほしきことの候て申にて候、
  さてゝゝちやうらうの御いたはり、
  心くるしき御事にうけ給はりて候し

  返々御心くるしく
  思まいらせて候、
  又これは人の申せと申候、
  ひとゝせ御つたへ申候やうに候、
  あつくよく候し
  こそてきぬはなち候事候はゝ、
  給はりたくて申候、

そのゝち申たく候
なから、なに事としも候はねとも、
まきるゝ心ちにて候ほとに、いとゝ
つかひもたやすからす候て、
いまゝて候つるに、
このひんきうれしく候て、
ちと申候、
このうれしさ申はかり
なき心ちにてこそ候へ、いつか
御いたはりよき御事にて
御わたり候へきと、
心もとなくおほえてこそ候へ、
さてをさなき人のもち候ぬ
へきあふきのいたいけ
して候はん、ゑかきてうつく
しく候はんか候らん、
(ウハ書)
「(切封墨引)                                        □□□の御房へ」

氏名未詳書状

金文番号
2647
和暦年月日
(年月日未詳)
成立
鎌倉時代後期
形状
竪紙
料紙
楮紙
法量 縦x横
32.3 * 50.6
紙数
1紙
紙背
『薄草子口決』(釼阿本)巻十九第五紙
付加情報
影字あり(仮名書状)、
整理番号
1182
最終更新日
2011/11/26