氏名未詳書状

御いのりをこそ申まいらせ
候はんするにて候へ、
なに事も候時は、まつ申候はむする事の、
御たのもしさはかりにてこ
そ候つるに、しはしのほとも、
あまりにゝゝゝゝ心ほそく、御なこり
をしくのみ覚させをはしまして候、
御方へも猶よく申承候はんする
心ちして候しに、
御をこなひにて候しほとに、申おきて候し、
御いふせく覚させおはしまし候て、
あはたくち殿へも、又卿殿へも、
あまりにあたならぬ御たよりにて候ほとに、
中々御文にても申さす候、なに□□□もゝゝ
御物かたりわたらせおはし候へきよしを、
御事つけ申たく候しも、
うちわすれ候て帰て候しに候、
さてゝゝ一日の御ゑのちの
入て候ける物まいらせ候、
さてよにゝゝ申候につけても、
わひしくゆめかましく候へとも、
御小袖二かさねまいらせ候、
なにともよきやう御心え候てと、思まいらせ候、
すてに申候もはつかしくひんきなきほとに候て、
それへ申候、なに事も、よく
御はからひのみ候へはと
思ひ候て、返々ゆめかましさ
申つくさせ申かたくかなしく候、
(ウハ書)  
 「(切封墨引)
 円信御房へ〈申させ給へ〉」

氏名未詳書状(詳細)

金文番号
2657
和暦年月日
(鎌倉時代後期)
成立
鎌倉時代後期
形状
竪紙(礼紙)
料紙
楮紙
法量 縦x横
32.5 * 51.3
紙数
1紙
紙背
『秘鈔口決〈異尊巻一〉』(釼阿本)第七紙
整理番号
1192
最終更新日
2011-11-26