氏名未詳書状

ならひわろく、つねあんせられて候へ、これにも
むかしの御事思いて
まいらせ候にも、なをさりならぬ
御をもむきみまいらせ候しかは、
その御なこりとは、ことに
おほえさせおはしまし候へは、
ちかき御ほとに候て、みも
まいらせ候、申も
うけ給はり候はゝ、
いかにうれしく候はんと、
思まいらせて候、

けふやゝゝゝの心ちにて候とも、
たれゝゝにもさしはなれまいらせ候て、
つねに申御事なとたに
かへさぬこと、こゝろほそう
おほえて候、西大寺の真言の
祖師にて御わたり候へは、
本証の御房も三月にて
候やらん、御かくれ候ぬ、
したいにかやうにのみ候御事こそ、
法の滅し候へしと、あさましう覚て候へ、
又以尊とのは、御かさかをひたゝしく、
御てにもうみて候とて、
御文まいらせて候しかとも、
御返事をえかき候はぬ、もしいのち候はゝ、
ちとひま候はんと申候はんと、申させおほせ事
候しに候、又なつめいくらも給はりて候、
返々、うれしく候、こなかふたかり候て、
くちのかはき候つるほとに、
京にてたつねて候は□□□
申て候しに□□□

氏名未詳書状

金文番号
2692
和暦年月日
(年月日未詳)
成立
鎌倉時代後期
形状
竪紙(礼紙、切紙二紙を上下に接続)
料紙
楮紙
法量 縦x横
32.3 * 49.0
紙数
2紙
紙背
(上)『南御室佛名供養法略次第〈今季/胎蔵界〉』第六紙、(下)『蓮華心院理趣三昧開白導師次第』第五紙
付加情報
影字あり、
整理番号
1229
最終更新日
2011/11/27