氏名未詳書状

後のしはすの十八日よりにて候か、くすりのみ、やきなとし候へとも、
きらゝゝしくも候はて、心ほそき
やうに候にも、いま一と見まいらせ候御事
にても候はゝやと、まうねんに、
おほえてこそ候へ、されはとてうちふす
まての事は候はて、一日に七八と、
二三となとおこりゝゝゝし候、
かやうに候は、中々あしき
なと申候へは、したいに、よいゝゝしくもや
なり候はんすらんとおほえ候、
いたはりのやうも、御らんせられて
候へは、さためて御よのたたり候はんすらん、
小輔とのなとこそ、をはしまし
候はんする御事にて候へは、
さりともうけ給はりもし
候はんすらんと、たのみまいらせてこそ候へ、
さてもめてたく候し、
人々の御事、この御ものかたりに
うけ給はり候て、あまりにゝゝゝゝ、
ふしきにおほえ候、なにをしても、
まことならぬ事は、かく候とおほえ候て、
いまは御ためも御心やすく候ぬと、
うれしく思まいらせてこそ候へ、
なをゝゝこの御めつらしさ、申はかりなく、
思まいらせて候、あなかしくゝゝゝゝゝ、三月卅日、

氏名未詳書状

金文番号
2693
和暦年月日
(年月日未詳)
成立
鎌倉時代後期
形状
竪紙(礼紙)
料紙
楮紙
法量 縦x横
32.5 * 44.5
紙数
1紙
紙背
『秘鈔口決〈本鈔第四巻末〉』(釼阿本)第十一紙
付加情報
影字あり、
整理番号
1230
最終更新日
2011/11/27