氏名未詳書状

  いつもおもひなからにてのみ、
  すくしまいらせ候へは、
  心よりほかにおほえさせ
  をはしまして候、
  あはたくち殿へ
  御わたり候へは、
  なに事につけ候ても、
  御たのもしく、うれしう
  おほえさせをはしまして候にも

  ちみやう院殿の御世には
  御きそくもよく候て、めしおかされ候て、
  事かけす候しか、この御よには、
  なにもみなめされ候て、
  申はかりなき事にて
  さふらへは、わひしくて候、猶々、
  めつらしううけ給はりて候、うれ
  しくおほえさせをはしまして候、
  あなかしこ、
  御方へもへちに申たく候へとも、
  物かき候事なとも、
  □□□にぬほとに思ひなから申候ぬ、
  御心え候て、申させ給候へく候、
  又せんせうの御房の御のほりにて
  候しに、みまいらせ
  候はさりし、返々ほいなく思ひ
  まいらせて候も、をなし
  事に申たく候、
まことにさしたる
御事さふらはすとも、
時々は申たく
候なから、物かき候
事なとも、
かなひ候はぬほとに、

氏名未詳書状

金文番号
2730
和暦年月日
(鎌倉時代後期)
成立
鎌倉時代後期
形状
竪紙(本紙)
料紙
楮紙
法量 縦x横
32.5 * 50.7
紙数
1紙
紙背
『秘鈔口決〈本鈔第十一巻〉』(釼阿本)第十二紙
付加情報
影字あり、
整理番号
1267
最終更新日
2011/11/27