氏名未詳書状

  こゝろひとつかに、かきくれ
  られ候て、もうすかたな
  く候、ほいなく申はかり                 なく候、あはれいかゝ
  し候て、この果に
  御心とゝまり候やうに、
  はからひともし候へさきと、
  つかならぬ
  あらませことのみ、心ひとつかに
  たくみ候へは、身なからゆめかましさ
  申はかりなく候、又まいらせ候し
  御文のさてやらん、知もんはうまてに
  ひきまいらされ候ぬらん、御うしろ
  めたさ、申はかりなく候、
  これには、よもさやうに候
  あたなる事は候はしと覚候、
ちとにて候つれとも、
心閑に申うけ給はりて
候つるうれしさは、ゆめうつゝと
わきかねられて候、
なかにもとをき御たひ
の御あらませ、身ひとつの
思と覚て候、世のうきに
つけて、すみうき山里
にて候へは、何事にか
御心もとゝまり候へき、
ことはられて候へとも、
うき身につもり候
いふせさのみ、はれま
なく候へく候、

氏名未詳書状

金文番号
2815
和暦年月日
(鎌倉時代後期)
成立
鎌倉時代後期
形状
竪紙(切紙二紙を上下に接続)
料紙
楮紙
法量 縦x横
31.2 * 49.4
紙数
2紙
紙背
(上)『乞戒作法』(釼阿本)第四紙(識語あり)、(下)『乞戒作法』第二紙(釼阿本)
整理番号
1352
最終更新日
2011/11/28