氏名未詳書状

さりとも、これ程にりうんにて
候、しさい候はしと思候し事の、
みちゆき候ましけに候、なけき入て候、
ひんきことには、このたひやよきやうに
うけ給はり候と、心をつくして
まち入て候へは、めつらしけなき
あさましさにてのみ候へは、心ちは
さなから、御おほしはかり候へく候、さても
いつかのほり候て、こさかしの
人をもけさんに入候へき、はや
よきほとのこ女房にならせ給てこそ候へ、
御くしこそいまたあまか□□□の程より、
おもふやうならすみえ候し程に、
心のをよひ候ほとは、よきと申候
事のみ、つくして候へとも、
下すなとのかみのやうに、よにゝゝよくも
さふらはて、あまりにほいなくて候へ、
なをゝゝさしやうつくゝゝと候も、

かはゆく候、それもこれの心くる
しさにて、思やる事にて候へは、わつらはしく
おほえて候へ、ひと方ならぬ心地して候に、
又一条侍従よしたゝきやうにて
これをうたへ申候程に、それにも
さしやう二人まてをきて候むつかしさ、
しはしはよりやすゝゝとのみ、心を
つくし候て、又かゝる事思のほかに、
いてき候ぬる、きやうに御わたりの
ときにてたに候はゝ、よもさたは
し候はしとおほえて、にくゝこそ候へ、
又かやうの事は、まめやかにゝゝゝゝゝ、神も
御らん候へ、申候返々はゝかり覚候、
身の事は、たといひかさまなる事にて候とも、
せめてはいくたひも申候はゝ、まいらぬ
人の事えんにとられなとし候、
すへてゝゝゝ心うき事に思て候を、
さりかたく申候には、えいなひはて候はて

氏名未詳書状

金文番号
2833
和暦年月日
(鎌倉時代後期)
成立
鎌倉時代後期
形状
竪紙(礼紙の内の二紙、切紙二紙を上下に接続)
料紙
楮紙
法量 縦x横
32.2 32.1 * 50.7 50.5
紙数
4紙
紙背
(一)(上)『小嶋 金玉七内』(内題、「小嶋大事」)、(下)題未詳聖教(折本)、(二)(上)『勧修寺〈金玉〉〈/七ー内〉』第三紙、(下)題未詳聖教(折本)
整理番号
1370
最終更新日
2011/11/28