氏名未詳書状

  して候しか、思のほかに
  これにとゝまりて候、
  いまいつみのもとに候へとも、
  これにわたらせられつゝ、人の御よを
  大事にことまかせ給へくほとに、
  かくしやうの御房これへいらせ
  申て候ふみを、
  かまくらまて
  つかいもちたかへてこそ候へ、
  〈ちたへは〉□□□まへそたらになとをもみて
  させまいらせよと
  そ、つほねよりもおほせ事候へとも、
  いかさまにまつおほせたく候へく候、
  御返事御うらに給はり候へく候、
けさ御文をまいらせ候、
ほとに、きゝたかへをして、かまくら
まてまかりて候、なかゝゝ申はかりなく候、又
きのうはやかてかへり候はす候、

  よろこひ思まいらせ候
  なけき中々申つくしかたく
  おほえて候、たのもしき事には、
  まつ思て候つるに、人めない
  ともかくも、申はかりなく候、
  猶々うけたまはり候、
  悦おほえさせをはしまして、
  いつか御かへりにてわた
  らせおはしまし候はんと、
  かそへ候て、心もとなく
  おもひまいらせて候、
  このやうを、ひんきには、
  申させおはしまし候へく候、
明忍の御房の御文、み
まいらせ候ぬ、かやうに
こまゝゝとうけ給
はり候御返事、返々、

氏名未詳書状

金文番号
2863
和暦年月日
(鎌倉時代後期)
成立
鎌倉時代後期
形状
竪紙(本紙)
料紙
楮紙
法量 縦x横
31.8 * 51.0
紙数
1紙
紙背
『薄草子口決』(釼阿本)巻十第四紙
付加情報
影字あり(二八六三氏名未詳書状)、
整理番号
1400
最終更新日
2011/11/29