氏名未詳書状
して候しか、思のほかに
これにとゝまりて候、
いまいつみのもとに候へとも、
これにわたらせられつゝ、人の御よを
大事にことまかせ給へくほとに、
かくしやうの御房これへいらせ
申て候ふみを、
かまくらまて
つかいもちたかへてこそ候へ、
〈ちたへは〉□□□まへそたらになとをもみて
させまいらせよと
そ、つほねよりもおほせ事候へとも、
いかさまにまつおほせたく候へく候、
御返事御うらに給はり候へく候、
けさ御文をまいらせ候、
ほとに、きゝたかへをして、かまくら
まてまかりて候、なかゝゝ申はかりなく候、又
きのうはやかてかへり候はす候、
※
よろこひ思まいらせ候
なけき中々申つくしかたく
おほえて候、たのもしき事には、
まつ思て候つるに、人めない
ともかくも、申はかりなく候、
猶々うけたまはり候、
悦おほえさせをはしまして、
いつか御かへりにてわた
らせおはしまし候はんと、
かそへ候て、心もとなく
おもひまいらせて候、
このやうを、ひんきには、
申させおはしまし候へく候、
明忍の御房の御文、み
まいらせ候ぬ、かやうに
こまゝゝとうけ給
はり候御返事、返々、