氏名未詳書状

これははしめ給はりて
候し御返事を、いまゝて
まいらせ候はぬとき、この
ひんうれしく候て、まいらせ候、
たうし日の
かやうにてり候へは、又御返のをり、いかゝ
候はんすらんと、それはよきにつけても、
なけかれて候へ、
又なによりも、御やと
よくて御わたり候らん、
うれしく候、十四日に
御たちとうけ給はりて候しに、
そう正の御房への御文
まいらせ候し、しやうたいなくおほえ候て、
又さすけ殿に申候て、そう正の御房の
御みちにもまいりあひ候へとて、
申て候しほとに、はやくとはしきふ殿御
まいり候ましきと、うけたまはり候て、
めうかんへまいらせて候と、
御返事に候とて候し時に、
されともめうかんよりはまいらせさせ給て
候らんと思て候つるに候、
又廿八日に御たち候はんするよし
うけ給はり候ぬ、
このやうをやかて申きかせ候て候、
しやうたいなく候事あさましき事にて候、
   『(切封)』

「としゝゝには、御
のほりをこそまちまいらせ候
心ちして候つるに、
思より候はす、ふと見参に
入て候へは、あまりに
御めつらしううれしう思
まいらせ候に、おなしくは
なとかうちつれまいらせさせ
おはします御事にて
さふらはさりけん、さやうに
いかにのこる事なく

おほつかなう候て、
たつねまいらせて候し、
御大事、心もとなく候つるに、
□□□
うけ給はり候ぬ、
後家女房の」

氏名未詳書状

金文番号
2870
和暦年月日
(鎌倉時代後期)
成立
鎌倉時代後期
形状
竪紙
料紙
楮紙
法量 縦x横
32.5 * 50.8
紙数
1紙
紙背
『秘鈔口決〈本鈔第四巻末〉』(釼阿本)第三紙
付加情報
影字あり(氏名未詳書状、『金』二八七〇に活字化)、
整理番号
1407
最終更新日
2011/11/29