氏名未詳書状
としのうちもいとゝしき
心ちして候、さてもなにくれと
うけ給はりて候し物とも、
人にかへものし候はんと申候しかとも、
かまくらにて給はりてまいらせ候はゝ、
これにてやかてし□□□候はん事は
やすく候へとも、物とも
くたりてのちに御さた候はんには、
みちにていかなる事も候はんをりは、
申にくき事にておほえ候と申あひ候時に、
それもけにもとおほえ候、御ようの事とも
むなしくのみ候へは、
あまりにわひしくおほえて、
□□□のゝちは、いつも御ようの時は、
中羽くたり候へは、つしよの入道のもとへ、
つかはされて候はゝ、京にてもさたし候へく候、
なをゝゝこのほとのいふせさ、
あまりにおほつかなくて思まいらせて候、
まきれ候ほとに、よろつととめ候ぬ、
いまはひんもつねに候はんすれは、
申うけ給はり候へく候、
『(切封上書)
□□□』