氏名未詳書状

ひやうこ(兵庫)の《すけ》かう(頭)のとの(殿)ゝ御文、
二なからつけて候へハ、
かひゝゝ(甲斐々々)しく御さた
あるへしに成て候へハ、返々
うれしくおほえ候、
すてにすてられ候へき
よし、とう人の申候よし、
よろつひやうこの《すけ》かうのとのゝ
御ふきやうにて、御はからひ
候ハんするとて、かまへて、とく
みちゆくやうに申させをハしまし候へきよし、
かまへてゝゝゝゝ申させ申て候、
ついて候はゝ、御ことつけもそへて、
申させをはしまし候へく候、
さても極楽寺のやけて候事、
申はかりなくこそ候へ、火事とは、
いかなるてらもつねの事にて候へとも、
よのつねならぬやうにきこえ候ヘハ、
心うくおほえて候、やつとのにも、
いかに御さはき候つらんと、思やりまいらせてこそ候しか、
みやす所の御事、権中の事なと、
まめやかにゆめの心ちして候、さしもいたはり
なかゝゝと候つるに、よその事をのみ
うけ給はり候て、いかゝして候ことの
ふしきさとおほえて候、

『(切封墨引)
  かねさはとのゝ□□□』
  *長井貞秀兵庫頭、極楽寺炎上、谷殿が馬場谷にいる

氏名未詳書状(詳細)

金文番号
2909
和暦年月日
(鎌倉時代後期)
成立
鎌倉時代後期
形状
竪紙(礼紙、切紙二紙を上下に接続)
料紙
楮紙
法量 縦x横
32.3 * 50.0
紙数
2紙
紙背
(上)『院尊勝陀羅尼供養導師次第』第四紙、(下)『法金剛院理趣三昧開白導師次第』第七紙
付加情報
影字あり、
整理番号
1450
最終更新日
2011-11-29