氏名未詳書状
する御事のうれしさも、いまゝてなからへ候て、 おもふやうなる御事とも、 思まいらせ候へは、返々よろこひいりて候、 又この御文みまいらせ候へは、 あまりに思やうにめてたくうれしく候て、 ゑみまけてこそ候へ、人の物にて候事も、 けにゝゝみなゝゝ心やすくし候て、 いにしへさることのあはれふしきさよと、 みなゝゝ御をしはかり、 わたらせをはしまし候て、 かやうにうけ給はり候ヘは、 あまりにをかしく、御かたしけなくこそ、 おほえさせおはしまし候へ、 又けふはまいりたく候つるに、 このかせにたのしく候て、かなひ候はす候、 かまへてゝゝゝゝ御てらへの御とも申候はんと、 いたはりいりて候、 すこしもよく候はゝ、まいり候はん、 御いてのほと、御わたくしにつけさせ をはしまし候へ、 よろつ御てらへまいりて候はゝ、 申まいらせ候へく候、 返々この御文うれしく、いつしか 見まいらせて候へは、 はるのはしめのよろこひと、 御かたしけなく、 よろこひいりまいらせて候、 あなかしく、
『(切封上書)
□□させ給へ 〈御返事〉』