金沢貞顕書状

今月八日御状、性範法眼下人先立下向之間、同  十七日到来、具承候了、一、道蘊(二階堂貞藤)使節間事、仙洞(後伏見上皇)御事書等令書写給
  候了、廿二日之程、両人令申候歟、同廿四日、両人前にて
  道蘊・善久(矢野倫綱)参候て、文書わたし候云々、今日
  相州(赤橋守時)并愚老に意見を被訪候て、明日〈廿七日〉
  可有御沙汰之由承候、 仙洞東使所存を御
  違背候之間、自 禁裏(後醍醐天皇)如被仰下、可有御和
  談之旨雑色なとにて申され候はむと、
  道蘊張行候之由承候、言語道断事
  候歟、永福門院御書ニ無子細御和談候つるを、
  浄仙并近臣なとかけうかい候て、無其儀
  候之由、のせられて候なる程に、城入道も、
  浄仙者扶持の物にて候、時ニ意見申かたく候よし、被申候けれとも、長崎
  入道たゝ申され候へきむね申候ける程に、申されて候なる、持明院殿御方事、城入道
  能申候はむする程に、口ふさき候ハむために、
  東北院僧正御房と道蘊同心候て、かやうに
  女院ニあそはさせまいらせて候へく候事、無申計候、
  道蘊ハ城入道をたのミたる物にて候か、此事の
  あまりニしたさに、かゝる御事をも持下候
  事、不可思議候、意見とふらハれ候とも、
  愚存申候ハしと存候、猶々末世くちを
  しく覚候、あなかしく、
                 七月廿六日

金沢貞顕書状(詳細)

金文番号
436
和暦年月日
(嘉暦4年)7月26日
成立
鎌倉時代後期
員数
1通
形状
竪紙(本紙・礼紙、本紙・礼紙とも切紙二紙を上下に接続)
料紙
楮紙
法量 縦x横
縦 32.3 32.2 x 横 48.6 40.7
紙数
2紙
紙背
(本紙上)熈允書写題未詳聖教(折本)、(本紙下)『御影供作法』第2紙、(礼紙上)熈允書写題未詳聖教(折本)、(礼紙下)『御影供作法』第3紙
付加情報
金沢貞顕自筆。K6876「貞顕書状」は同一の文書。
整理番号
7334
遺文
鎌30677
神奈川県史
2750
最終更新日
2020-01-14