氏名未詳書状

御たち入候へきやうも候はぬ、  こまとの候を、
  上さまの御気色にて候とて、
  入殿よりとやらんとて、
  めされ候つるほとに、中々々御ように
  入へきやうなく候やうは、
  人にてみせられ候へきよしを、
  申てこそ候つれ、又そのゝち御
  心地いかゝわたらせをはしまし候らん、
  御おほつかなく、
  おほえさせおはしまし候、
あまた御いて候つるに、
かすしくなき御事になり候ぬる、まめやかに
心ほそくあさましうおほえさせおはしまし候、
君たちもこまゝゝと、よにおほき御事にて、
女房なとのいかに御
なけきにて候らんと、御心のうち御いとをしく、
思やりまいらせ候、さても
申はかりなくかはゆけに人の
(ウハ書)
「(切封墨引)                                   円信御房
〈申させ給へ〉   すきのやつより」

氏名未詳書状(詳細)

金文番号
2624
和暦年月日
(年月日未詳)
成立
鎌倉時代後期
形状
竪紙(礼紙)
料紙
楮紙
法量 縦x横
32.0 * 49.7
紙数
1紙
紙背
『秘鈔口決〈本鈔第二巻〉』第十五紙
付加情報
影字あり、
整理番号
1140
最終更新日
2011/11/26